割り算するとき、なぜ逆数をかける?

割り算をするときには、割られる数に割る数の逆数をかけますが、それはなぜでしょう?

例えば、6÷2=3ですが、

$\displaystyle 6×\frac{ 1 }{ 2 }$

$\displaystyle =\frac{ 6 }{ 1 }× \frac{ 1 }{ 2 }$

$\displaystyle = \frac{ 6×1 }{ 1×2 }= \frac{ 6 }{ 2 }=3と考えることもできます。$

÷2は2つに分けることです。

$中学数学では、2つに分けることを、$

$「\displaystyle \frac{ 1 }{ 2 }にする(\displaystyle \frac{ 1 }{ 2 }をかける)」と考えます。$

÷の記号は、真ん中の線の上に点が2つ上と下に乗っかっています。

上の点は割られる数、下の点は割る数を表しています。

$ですから、\displaystyle \frac{ 6 }{ 2 }は、$

6を2で割る、6を2つに分けることを表しています。

もう少し複雑な問題を考えてみます。

$\displaystyle \frac{ 5 }{ 7 }÷ \frac{ 11 }{ 3 }$

$答えは、上でお話ししたように、$

$「\displaystyle÷\frac{ 11 }{ 3 }」を逆数の「×\frac{ 3 }{ 11}」」にして、$

$\displaystyle \frac{ 5 }{ 7 }×\frac{ 3 }{ 11}$

$=\displaystyle \frac{ 5×3 }{ 7×11 }$

$=\displaystyle \frac{ 15 }{ 77}$

とすればいいのですが、

この問題を、数学的な言葉の定義ではなく、四則演算の観点から考えてみます。

$この答えをxとすると、$

$\displaystyle \frac{ 5 }{ 7 }÷ \frac{ 11 }{ 3 }=x$

$左右両辺に\displaystyle \frac{ 11 }{ 3 }をかけて、$

(=の右と左に同じ数をかけても=が成り立つ性質を利用します)

$\displaystyle \frac{ 5 }{ 7 }× \frac{ 11 }{ 3 }÷ \frac{ 11 }{ 3 }=x× \frac{ 11 }{ 3 }$

$右辺の\displaystyle \frac{ 11 }{ 3 }÷ \frac{ 11 }{ 3 }を計算すると、$

同じ数どうしの割り算なので1になり、

$\displaystyle \frac{ 5 }{ 7 }=x× \frac{ 11 }{ 3 }$

と、簡単にできます。

$両辺に \displaystyle \frac{ 11 }{ 3 }の逆数、\displaystyle  \frac{ 3 }{ 11 }をかけると、$

$\displaystyle \frac{ 5 }{ 7 }× \frac{ 3 }{ 11 }=x× \frac{ 11 }{ 3 }× \frac{ 3 }{ 11 }$

$\displaystyle \frac{ 5×3 }{ 7×11 }=x× \frac{ 11×3 }{ 3×11 }$

$\displaystyle \frac{ 15 }{77 }=x$

右辺と左辺を取り換えて、

$x=\displaystyle \frac{ 15 }{77 }$

以上のように、イコールの性質を利用した四則演算の観点からみても同じ結果になります。

実際に問題を解くときは、もちろん、割る数を逆数してかけると簡単だし、早く解けます。

分数のかけ算

分数のかけ算は、分子どうし、分母どうしのかけ算の結果が答えになります。

例えば、

$\displaystyle \frac{ 1 }{ 3 }  \times \frac{ 2 }{ 5 }$

$\displaystyle=\frac{ 1×2 }{ 3×5 } $

$\displaystyle=\frac{ 2 }{ 15 } $

でも、一体なぜ、分子と分母どうしをかけるだけでいいのでしょうか?

$\displaystyle \frac{ 1 }{ 3 }  \times \frac{ 2 }{ 5 } は、$

=$\displaystyle \frac{ 1 }{ 3 }  \times \frac{ 1 }{ 5 }  \times 2$

に書き直すことができます。

$まず、\displaystyle \frac{ 1 }{ 3 }  \times \frac{ 1 }{ 5 }を考えてみます。$

分子と分母どうしをかけるだけでいいなら、答えは、

$\displaystyle \frac{ 1 }{ 3 }  \times \frac{ 1 }{ 5 }=\frac{ 1 }{ 15 }$

になるはずです。

$\displaystyle  \frac{ 1 }{ 3 } に\displaystyle\frac{ 1 }{ 5 }をかけることは、$

$\displaystyle \frac{ 1 }{ 3 }を5等分するということですから、答えの\displaystyle \frac{ 1 }{ 15 }$

$ を5回たしたら\displaystyle \frac{ 1 }{ 3 }にならなければいけませんよね。$

ほんとにそうなるか、検算してみましょう。

$\displaystyle \frac{ 1 }{ 15 }+\frac{ 1 }{ 15 }+\frac{ 1 }{ 15 }+\frac{ 1 }{ 15 }+\frac{ 1 }{ 15 }=\frac{ 1+1+1+1+1 }{ 15 }=\frac{ 5 }{ 15 }=\frac{ 1 }{ 3 }$

なりましたね。

$次に、この\displaystyle \frac{ 1 }{ 15 }に2をかけるということは、$

$ \displaystyle \frac{ 1 }{ 15 }が2つあることですから、$

$ \displaystyle \frac{ 1 }{ 15 }+\frac{ 1 }{ 15 }=\frac{ 2 }{ 15 }です。$

これも同じく、最初から、

$ 2は分数で\displaystyle \frac{ 2 }{ 1 }と表せますから、$

$\displaystyle \frac{ 1 }{ 15 }×\frac{ 2 }{ 1 }=\frac{ 1×2 }{ 15 ×1}=\frac{ 2 }{ 15 }$

とできるんです。

今日から新年号、そして新学期も始まりました。

今日から入学する中学1年生は3名。

新2年生5人、新3年生4人、小学生1人、高校生16人、大学生1名。

それぞれのゴールに向かって新しい一歩を踏み出しましょう。