比例の関係

●比例の関係

yがxに比例していれば、y=ax(axはa×xのこと)と表せる。
aはなにか決まった数で、yとxは変化する数。

例えば、一片の長さがxcmの正方形の周(4つの辺の長さの合計)
の長さをyとすると、正方形は同じ長さの辺が4つあるから、
周の長さを全部たすと、4×xになり、y=4xという式が成り立つ。

正方形は同じ長さの辺をいつも4つ持っているが、一つの辺が1cmの正方形もあるし、10センチの正方形もある。だから、aは変わることがない決まった数で、xやyはいろいろな値をとることができる。この理由でaを定数、xやyを変数という。

問題
次のyとxは比例の関係にあるといえるか?
① 長さ1メートルのロープからxcmのロープを切り取ったらycmになった。
1-x=y
y=ax(yは、aという数とxとの掛け算の答え)と表せないので、比例の関係にはない。

② ドラム缶に一分間に10リットルの割合で水を入れていくと、x分間にyリットルたまる。
式がわからなかったら、数字になおして考えてみる。
1分で10リットルたまる、2分で20リットルたまる、3分で30リットルたまる・・・
今xは分で、yはリットルだ。分が2倍3倍になると、リットルも2倍3倍になるから比例だ。比例だからy=axとおける。xが2のときyは20だ。式に代入すると、
20=a×2=2aだ。aの前の2がじゃまだから、両辺に2の逆数の1/2(2分の1のこと:/の右が分子・左が分母)をかけて、
20×1/2=2×a×1/2で10=aだ。a=10をy=axのaに代入すると、y=10xと表すことができる。

比例式の特徴
y=2xのyとxを表にすると、
x 1 2 3 4 ・・・
y 2 4 6 8 ・・・

$\displaystyle\frac{1}{a}+\frac{1}{b}=\frac{1}{c}$を$c$について解け。

$\displaystyle\frac{1}{a}+\frac{1}{b}=\frac{a+b}{ab}$より、

$\displaystyle\frac{a+b}{ab}=\frac{1}{c}-①$

逆数をとって、

$\displaystyle\frac{ab}{a+b}=\frac{c}{1}$

即ち、$c=\displaystyle\frac{ab}{a+b}$

①の両辺に$×c×\displaystyle\frac{ab}{a+b}$をかけてもいいですね。

$S=\displaystyle\frac{(a+b)h}{2}$を$a$について解け。

右辺は$(a+b)と\displaystyle\frac{h}{2}$との積でできています。

$\displaystyle\frac{h}{2}$にその逆数である$\displaystyle\frac{2}{h}$を掛けると1になり、右辺は$a+b$になります。

したがって、両辺に$\displaystyle\frac{2}{h}$を掛けると、

$\displaystyle\frac{2S}{h}=a+b$

左右ひっくり返して、

$a+b=\displaystyle\frac{2S}{h}$

bを移項して、

$a=\displaystyle\frac{2S}{h}-b$

6300をできるだけ小さい自然数で割って余りがなく、商がある自然数の平方になるようにするには、どんな数で割れば良いか?

6300を素因数分解すると、

6300=2^2×3^2×5^2×7であるから、

7で割ると商は900となり、30の平方ができるということがわかる。

$x=\sqrt{3}-1$のとき、$x^2+2x+3$の値を求めよ。

代入すると、$3-2\sqrt{3}+1+2(\sqrt{3}-1)+3=3+1-2+3=5$

また、

$x=\sqrt{3}-1$の右辺にある-1を左辺に移行して式を2乗すると、左辺に$x^2+2x$ができるので式の値を$x^2+2x+3$に代入しても答えが出そうです。

$x=\sqrt{3}-1$より、

$x+1=\sqrt{3}$

両辺を2乗して、

$x^2+2x+1=3$

両辺に2をたして、

$x^2+2x+3=5$

あなたが簡単と思える方で解けばいいと思いますが、直接代入する以外の方法も覚えておくと後々ためになりますよ。

$x=\sqrt{5}+1,y=\sqrt{5}-1のときx^2+y^2$の値を求めよ。

①直接代入して求める方法

$x^2+y^2=(\sqrt{5}+1)^2+(\sqrt{5}-1)^2$

$=5+2\sqrt{5}+1+5-2\sqrt{5}+1$

$=12$

②$x^2+y^2$は対称式ですから、$x+y,xy$で表すことができます。

対称式とは文字を入れ替えても同じ式になるものをいいます。

$x^2+y^2=(x+y)^2-2xy$

今、$x+y=2\sqrt{5}, xy=5-1=4$より、

与式$=20-8=12$

$12a^6b^2÷4a^2b^2×2a^3b^5$を計算せよ。

$\displaystyle\frac{12a^6b^2×2a^3b^5}{4a^2b^2}$を計算してもいいのですが筆算する手間がかかります。

頭の中で下のように計算できると筆算必要ありません。

$12÷4×2a^{6-2+3}b^{2-2+5}=6a^7b^5$

累乗の加減の結果が0になれば答えは1、マイナスになれば答えは累乗の逆数になります。

例えば、$a^0=1$、$a^{-2}=\displaystyle\frac{1}{a^2}$です。

$\sqrt{2}$の小数部分を$a$で表すとき、$\sqrt{32}$の小数部分を$a$を用いて表せ。

例えば、5.6の整数部分は5、小数部分は0.6で、$5+0.6=5.6$です。

このように小数をともなう数は、整数部分と小数部分からできていて、その数=整数部分+小数部分が成り立ちます。

今$\sqrt{2}$は$\sqrt{1}=1$と$\sqrt{4}=2$の間にあるので整数部分は1ですから、$\sqrt{2}$の小数部分を$a$で表すならば、$\sqrt{2}=1+a$が成り立ちます。

ここで、$\sqrt{32}=4\sqrt{2}$であり、aで表せば$\sqrt{32}=4(1+a)$です。

また、$\sqrt{32}$は$\sqrt{25}=5$と$\sqrt{36}=6$の間にあるので、整数部分は5です。

これらのことから、$\sqrt{32}=4(1+a)=5+(\sqrt{32}$の小数部分)が成り立ち、$\sqrt{32}$の小数部分は$4(1+a)-5=4a-1$ということになります。