+-演算子の役割

(+5)+(+2)、(+5)+(-2)、(+5)-(+2)、(+5)-(-2)など、式の中にある+や-の演算子の役割の話をします。

+演算子は、その後に続くカッコ内の数に「符号の方向にあなたの数だけ進みなさい。」と命令します。

命令を聞いた(+5))のは、プラスの方向に進んで7に到着します。

また、(+5)+()のは、マイナスの方向に進んで3に到着します。

一方、-演算子は、その後に続くカッコ内の数に「符号とは反対方向にあなたの数だけ進みなさい。」と命令します。

そこで、-演算子に命令された(+5))のは、プラスとは反対のマイナス方向進んで3に到着します。

また、同じく-演算子に命令された(+5))のは、マイナスとは反対のプラス方向進んで7に到着します。

以上のことから次のことがわかります。

$+(+▲)=-(-▲), +(-●)=-(+●)$

$▲と●$は数を表します。

割り算するとき、なぜ逆数をかける?

割り算をするときには、割られる数に割る数の逆数をかけますが、それはなぜでしょう?

例えば、6÷2=3ですが、

$\displaystyle 6×\frac{ 1 }{ 2 }$

$\displaystyle =\frac{ 6 }{ 1 }× \frac{ 1 }{ 2 }$

$\displaystyle = \frac{ 6×1 }{ 1×2 }= \frac{ 6 }{ 2 }=3と考えることもできます。$

÷2は2つに分けることです。

$中学数学では、2つに分けることを、$

$「\displaystyle \frac{ 1 }{ 2 }にする(\displaystyle \frac{ 1 }{ 2 }をかける)」と考えます。$

÷の記号は、真ん中の線の上に点が2つ上と下に乗っかっています。

上の点は割られる数、下の点は割る数を表しています。

$ですから、\displaystyle \frac{ 6 }{ 2 }は、$

6を2で割る、6を2つに分けることを表しています。

もう少し複雑な問題を考えてみます。

$\displaystyle \frac{ 5 }{ 7 }÷ \frac{ 11 }{ 3 }$

$答えは、上でお話ししたように、$

$「\displaystyle÷\frac{ 11 }{ 3 }」を逆数の「×\frac{ 3 }{ 11}」」にして、$

$\displaystyle \frac{ 5 }{ 7 }×\frac{ 3 }{ 11}$

$=\displaystyle \frac{ 5×3 }{ 7×11 }$

$=\displaystyle \frac{ 15 }{ 77}$

とすればいいのですが、

この問題を、数学的な言葉の定義ではなく、四則演算の観点から考えてみます。

$この答えをxとすると、$

$\displaystyle \frac{ 5 }{ 7 }÷ \frac{ 11 }{ 3 }=x$

$左右両辺に\displaystyle \frac{ 11 }{ 3 }をかけて、$

(=の右と左に同じ数をかけても=が成り立つ性質を利用します)

$\displaystyle \frac{ 5 }{ 7 }× \frac{ 11 }{ 3 }÷ \frac{ 11 }{ 3 }=x× \frac{ 11 }{ 3 }$

$右辺の\displaystyle \frac{ 11 }{ 3 }÷ \frac{ 11 }{ 3 }を計算すると、$

同じ数どうしの割り算なので1になり、

$\displaystyle \frac{ 5 }{ 7 }=x× \frac{ 11 }{ 3 }$

と、簡単にできます。

$両辺に \displaystyle \frac{ 11 }{ 3 }の逆数、\displaystyle  \frac{ 3 }{ 11 }をかけると、$

$\displaystyle \frac{ 5 }{ 7 }× \frac{ 3 }{ 11 }=x× \frac{ 11 }{ 3 }× \frac{ 3 }{ 11 }$

$\displaystyle \frac{ 5×3 }{ 7×11 }=x× \frac{ 11×3 }{ 3×11 }$

$\displaystyle \frac{ 15 }{77 }=x$

右辺と左辺を取り換えて、

$x=\displaystyle \frac{ 15 }{77 }$

以上のように、イコールの性質を利用した四則演算の観点からみても同じ結果になります。

実際に問題を解くときは、もちろん、割る数を逆数してかけると簡単だし、早く解けます。

分数のかけ算

分数のかけ算は、分子どうし、分母どうしのかけ算の結果が答えになります。

例えば、

$\displaystyle \frac{ 1 }{ 3 }  \times \frac{ 2 }{ 5 }$

$\displaystyle=\frac{ 1×2 }{ 3×5 } $

$\displaystyle=\frac{ 2 }{ 15 } $

でも、一体なぜ、分子と分母どうしをかけるだけでいいのでしょうか?

$\displaystyle \frac{ 1 }{ 3 }  \times \frac{ 2 }{ 5 } は、$

=$\displaystyle \frac{ 1 }{ 3 }  \times \frac{ 1 }{ 5 }  \times 2$

に書き直すことができます。

$まず、\displaystyle \frac{ 1 }{ 3 }  \times \frac{ 1 }{ 5 }を考えてみます。$

分子と分母どうしをかけるだけでいいなら、答えは、

$\displaystyle \frac{ 1 }{ 3 }  \times \frac{ 1 }{ 5 }=\frac{ 1 }{ 15 }$

になるはずです。

$\displaystyle  \frac{ 1 }{ 3 } に\displaystyle\frac{ 1 }{ 5 }をかけることは、$

$\displaystyle \frac{ 1 }{ 3 }を5等分するということですから、答えの\displaystyle \frac{ 1 }{ 15 }$

$ を5回たしたら\displaystyle \frac{ 1 }{ 3 }にならなければいけませんよね。$

ほんとにそうなるか、検算してみましょう。

$\displaystyle \frac{ 1 }{ 15 }+\frac{ 1 }{ 15 }+\frac{ 1 }{ 15 }+\frac{ 1 }{ 15 }+\frac{ 1 }{ 15 }=\frac{ 1+1+1+1+1 }{ 15 }=\frac{ 5 }{ 15 }=\frac{ 1 }{ 3 }$

なりましたね。

$次に、この\displaystyle \frac{ 1 }{ 15 }に2をかけるということは、$

$ \displaystyle \frac{ 1 }{ 15 }が2つあることですから、$

$ \displaystyle \frac{ 1 }{ 15 }+\frac{ 1 }{ 15 }=\frac{ 2 }{ 15 }です。$

これも同じく、最初から、

$ 2は分数で\displaystyle \frac{ 2 }{ 1 }と表せますから、$

$\displaystyle \frac{ 1 }{ 15 }×\frac{ 2 }{ 1 }=\frac{ 1×2 }{ 15 ×1}=\frac{ 2 }{ 15 }$

とできるんです。

分数を約分するのときの注意

分数は最大公約数を使って、「もうこれ以上簡単にできません」レベルまで約分しなくてはいけません。

例えば、8/12は分母と分子を2で割ると4/6ですが、ここで終わってしまってはダメで、更に2で割って2/3としなければなりません。

分母と分子にひとつずつしか数字がないときは簡単なのですが、

中には分子に項が2つあるものもあります。

例えば、(3x+6)/3。

こんな時は、分子の3と6、分母の3の最大公約数3で約分して、(x+2)/1=x+2とします。

ただし、分子と分母の係数の中に割り切れないものが一つでもあったら約分はできません。

例えば、(6x+4)/3は、2x+4とはできません。

(6x+4)/3を分解すると6x/3+4/3です。

6x/3+4/3=2x+4/3=(6x+4)/6で2x+4ではありません。

 

連立方程式を消去法で解く

太郎さんはある果物屋さんから柿2個とぶどうを4房買ったら1000円でした。

また、同じ店で花子さんが柿2個とぶどうを2房買ったところ代金は600円でした。

柿1個とぶどう1房当たりの代金はそれぞれいくらでしょうか?

上の図のように、柿2個とぶどう2房で600円ですから、

ぶどう2房は400円で買えることになり、

ぶどう1房の値段は400÷2で200円になります。

ぶどうの値段が1房200円とすると、太郎さんが払った1000円のうち、

ぶどう4房の値段は800円になりますから、柿2個の値段は200円となり、

柿は1個100円だったということがわかります。

これを連立方程式の消去法で考えると以下のようになります。

柿1個とぶどう1房当たりの代金がわからないので、文字を使ってそれぞれa,bとします。

太郎さんは柿2個とぶどうを4房買って1000円になったので、

柿の個数×柿1個当たりの代金+ぶどうの個数×ぶどう1房当たりの代金=太郎さんの支払額にあてはめて、

2a+4b=1000ー①が成り立ちます。

また、花子さんは柿2個とぶどうを2房買って600円を支払いましたから、

2a+2b=600ー②が成り立ちます。

上の図で考えたように①から②を差し引いて、左辺どうしの差=右辺どうしの差

とすると、共通する部分が消えてしまい、ぶどう2房分の値が出てきます。

2b=400

両辺を2で割ると、b=200

①のbを200と考えると(これを代入するといいます)、

①は、2a+4×200=1000となり、2a=200で、a=100となります。

このように二つのわからない文字の片方を消し去り(今の場合はa)、

もう一方の文字の値を求め(bですね)、その値から消し去った値(aです)を求める

・・・・・これを、連立方程式を消去法で解くといいます。

文字式の加法・乗法の注意点

1.1と文字との掛け算、例えば1×aは1aではなく、1を省略してaと書きます。でも、1を省くからといって、0.1×bを0bとか0.bなどとしてはいけません。0.1bと書きましょう。

2.分数と文字との掛け算、例えば×Xはとかと書きます。

3.(-1)×aは、1と同じく1を省略して-aと書きましょう。

4.X×b×aは、abXとアルファベット順に並べましょう。

5.文字が混じった情報では、演算記号の×をはぶきますが、加法の記号+や減法の記号-は省略できません。省略したら掛け算なのか足し算なのか引き算なのかわからなくなってしまいますよね。

5.例えば、aとbの和の3倍というときは、3×(a+b)ですから×を省いて3(a+b)とします。

 

文字を使った式

こちらで調べたマッチ棒の本数は、つくる正方形の個数によって変わってきます。

1,2,3・・・個と変化する正方形の個数を、数学では変数といってアルファベット(英語文字)のxなどを使って

1+3xと表すことがあります

このようにすると、

マッチ棒を横に並べて正方形を作ると、正方形2個の場合はマッチ棒が7個必要、3個の場合は10個必要、・・・100個の場合は3001個必要・・・・

という風に正方形の個数ごとにいちいち書く必要がなく、

正方形x個のとき、マッチ棒は1+3×x(本)必要です

と表すだけですみます。

文字を使った式では掛け算の×(演算記号)とアルファベットのかん違いを防ぐため、

×などの演算記号を省略します。

なので、1+3×xは1+3xと書きましょう。

マッチ棒を使った正方形

マッチ棒を使って10個の正方形を作るには、

4×10=40個のマッチ棒が必要です。

それでは、

正方形を横に並べていって、縦の棒を共有する(隣り合う二つの正方形の縦棒が1本ということ)、正方形を10個作るには何本のマッチ棒が必要でしょうか?

①のように、左端に一本縦においてから、右側に3本ずつ置いていくように

分けて考えると、

1個目の正方形を作るのに必要なマッチ棒の数は、1+3

2個目までの正方形を作るには1+3+3

3個目までは1+3+3+3

・・・・・・・・・・・・・

10個個目までは1+3+3+3+3+3+3+3+3+3+3

のマッチ棒が必要ですね。
こんなふうに足し算にすると3をたくさん書かなければならないので面倒です。
こんなときは掛け算が役に立ちます。
数の決まりに注目すると、
1個目には3が1個、2個目までには3が2個、3個目までには3が3個、・・・10個目まで
には3が10個並んでいますから、
正方形を1個作るには1+3×1
2個作るには1+3×2
3個作るには1+3×3
・・・・・・・・・
10個作るには1+3×10
のマッチ棒が必要だということがわかります。
こうすると、なにか決まりみたいなものが見えてきます。
そうです、正方形の個数と×のあとの3が並ぶ個数が同じなんです。
じゃあ、同じ方法で1000個の正方形を並べたらマッチ棒は何個必要でしょう?
いちいち手で数えることも、3をずらりと並べて足し算する必要もありません。
決まりに気づいたあなたなら、1+3×1000で答えは3,001とすぐに答えをだせますよね。
また、下の②のように考えることもできます。
1番最初の正方形を作るのに必要なマッチ棒の数は4×3×0(本)
2番目までの正方形を作るのに必要なマッチ棒の数は4+3×1(本)
3番目までの正方形を作るのに必要なマッチ棒の数は4+3×2(本)
さきほど、順番と掛け算の記号×のあとの3の個数に注目しましたが、
これはどうでしょう。
1番目の3の個数は0、2番目の3の個数は1、3番目の3の個数は2、
さっきは順番と掛け算の後の3の個数は同じでしたが、今度は順番と比べて3の個数が1だけ少ないですね。
じゃあ、1000番目の3の個数は何個になるでしょう?
そう、1000-1で999になるはずですね。
10番目の3の個数が999個だとすると、
正方形を横に1000個並べた場合のマッチ棒の数は4+3×999で3,001個。
さっき、①で考えた方法と考え方は違っても答えは同じになります。